冒険好きなら、ワクワクしてしまうだろう。
まさにインディ・ジョーンズの世界、足を踏み入れてはならない禁断の巨大地下宮殿、
その名も 大谷資料館!!
えーっと、ひとつ言わせてもらいたい。名前が地味すぎないか。
こう思うのは私だけではなかろう。
それはさておき、名前のイメージからは想像もできないのがここ、栃木県宇都宮にある大谷資料館なのだ。
ちなみに、地下宮殿ではない。採石場跡である。
採石場だったことで、人工的に削られている壁面が、宮殿をイメージさせる。
私には、まるでエジプトの古代神殿のように見えた。
中はライトアップされ、色の変わるライトが時折り妖しげな雰囲気にさせるとことろも嫌いではない。むしろ好きだ。
しばらく経つと手が冷たくなってくる。駐車場でダウンジャケットを着込んだ家族を見かけたが納得である。
暗くて寒い巨大な地下空間。もしも、ここが資料館ではなく、そのままの状態で残っているのを偶然発見したのなら、本当にたいまつの灯りを手に冒険したくなるに違いない。
と言いながら、すでに頭の中ではインディ・ジョーンズさながらの冒険が繰り広げられている。もちろん私は最後まで死なないヒロイン役だ。
が・・・ワクワクばかり、させてはくれないところが資料館である。
ところどころ現実に引き戻すトラップが仕掛けられている。
例えばこれだ。
このおじさんを見たら、もはや冒険どころの騒ぎではない。
その後、しっかりと手掘りのあとを見せつけられることになるのだ。
こんなに頑張ったのだ、という証である。
途中からは、文明の利器にとって代わる。
おじさんたちも楽になっただろう。
最後の極めつけはこれだ。
仕事上がりに飲んだであろう酒瓶もある資料室。
ここへ来る頃には冒険のことはすっかり忘れて、おじさんたちと語り合いたい気分になっているに違いない。
そして思うのだ。やはり、名前は大谷資料館がふさわしいと。